2023-02-08
「追い出し条項」は無効の判決
追い出し条項とは
- 賃借人が賃料等の支払を2ヵ月以上怠ったこと
- 合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡が取れない状況にあること
- 電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないと認められること
- 本件建物を再び占有所有しない賃借人の意思が客観的に看過できる事情が存すること
上記、四つの要件を満たすことにより、賃借人が本件建物の使用を終了してその占有権が消滅していると認められる場合に、賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃貸人(保証会社)が本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定めた条項です。
判断理由【最高裁判決:令和4年12月12日】
- 原契約が終了していない場合において、この条項に基づいて本件建物の明渡しがあったものとみなしたときは、賃借人は、本件建物に対する使用収益権が消滅していないのに、原契約の当事者でもない保証会社の一存で、その使用収益権が制限されることとなる。
- 賃借人は本件建物の明渡義務を負っていないにもかかわらず、賃貸人が賃借人に対して本件建物の明渡請求権を有し、これが法律に定める手続きによることなく実現されたのと同様の状態に置かれるのであって、著しく不当というべきである。
結論
追い出し条項は、消費者である賃借人と事業者である賃借人(保証会社)の各利益の間に看過し得ない不均衡をもたらし、当事者間の衡平を害するものであるから、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものというべきである。
よって、法10条に規定する消費者契約の条項に反して違法・無効と判断されました。
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